佐渡めぐり塾 第9回「竹林から日々の暮らしへ そのつながりに触れる」後編
雨も降りだしたところで、竹林から宿根木集落へと移動し、宿根木公会堂にてお昼ご飯。今回のお弁当は小木の「稲よし」さんにお願いしました。この時期ならではの郷土の味を…とリクエストしたところ、ナガモのごま和えや、お味噌汁にはワニカズラという海藻も! 「子どもの頃、海に取りに行ったよ」と講師の今井さん。ワニという固そうな名前と違って、ツルッとして美味しかったです。
午後からは、小木の竹細工職人である赤塚さんも講師に加わり、竹のコースターやかご作りに挑戦しました。体を使った午前の部と変わって、今度は頭と手先をフル活用です。
まずは午前中切り出してきた竹を、竹ひごを作るように割っていく作業を体験してもらいました。切り立ての瑞々しい竹は、割るとパキッといい音がします。割ったばかりの竹は、水を含んだ青いいい香りがしました。
こちらはかご作りの様子です。四つ目と呼ばれる編み方が基本になっています。竹ひごの両端を曲げて織り込むのに少し力がいりますが、竹のしなりをうまく生かした形なので、竹の特性を感じながらつくることができたかなと思います。
隣では、カラフルな竹ひごを自由に組み合わせてゴザ編みのコースターづくり。色の違いはもちろん、ひごの幅の違いによっても表情が変わり、家族分のコースターを作った子もいました。「六つ目編み」に挑戦するも、頭を抱えていた佐渡めぐり塾スタッフに「頭で考えすぎない方がいいですよ」と赤塚さん。手が覚えている、そんな言葉がしっくりくる職人さんたちの存在は大きいですね。そんな方々に手ほどきをしてもらえる機会をもっと作りたいものです。
切った竹で積み竹?を始めた子どもたち。アイディア次第で遊びの道具にもなります。プラスチックがつくられる前、日本において日用品の多くは「竹」でつくられてきました。以前のめぐり塾テーマとしてあげた「藁」もそうですね。明日から、荒れた竹林が宝の山に見えるかもしれません。竹と笹の違いを知ってもらおうと用意したこびりぃの笹団子も、竹かごととてもマッチしていました。みやげもの屋さんでも、こんな風に笹団子を売っていたら素敵ですよね。
佐渡は「真竹細工」の地として知られていますが、他にも竹細工に使われる篠竹・メグロ竹・根曲竹などいろいろと生えている良い環境です。また食べると美味しい孟宗竹や淡竹もあります。そろそろ筍の季節がはじまりますね。バスの出発時間になりながら、竹の先生たちに篠竹で竹鉄砲まで作ってもらい、帰ることをすっかり忘れてしまった子どもたちでした。
丸一日、真剣な面持ちで竹と向き合う子どもたちの姿に、このテーマで開催してよかったと心から感じました。佐渡めぐり塾を通して、佐渡の豊かな自然や暮らしを楽しみ、そして親しみを持ってもらえたらうれしく思います。その「心」や「気づき」を佐渡のGIAHSにしていきたいと、スタッフは考えています。佐渡めぐり塾を開催するにあたり、今回もたくさんの方々にご協力いただきました。本当にありがとうございました。そして、いつも開講を楽しみにしてくださるリピーターも増えつつあり、嬉しく思っています。次年度の佐渡めぐり塾も、どうぞよろしくお願いいたします。【渡辺・Oh-Ishi】(Photo:Kawaguchi)