佐渡めぐり塾(番外編)「竹の恵み」編

佐渡の世界農業遺産(GIAHS)を親子で体験しながら学ぶ「佐渡めぐり塾」。2/23(土)に番外編として行ったミニプログラムは4つ。続いては「竹の恵み」編をご紹介します。岩首の竹林でタケノコ狩りをした第1回佐渡めぐり塾(「岩首昇竜棚田と竹林の恵み」編)以来、念願叶っての竹を使った「手仕事」に挑戦しました。【渡辺】(Photo: Kawaguchi)

今回講師をお願いしたのは、竹の材料屋さんである畑野の今井さん。山から切り出してきた竹を、竹かごなどを編んだりするように材料として加工するお仕事をしています。有名な竹細工職人さんも、今井さんから材料を仕入れているのだそうです。

竹を編み始める前に、まずは竹を均等な幅に割っていく作業を今井さんに見せてもらいました。コンパスで等間隔に印をつけ、両刃の 鉈(なた) で割っていきます。パキッと下まできれいに割れていく様は何とも気持ちがいいものです。

 

早速子どもたちも重たい鉈を手に、竹割りに挑戦です。竹に対して直角に入れないと、真っ直ぐきれいには割れてくれません。見た目より難しい作業でしたが、鉈が竹に入っていく感覚、パキッと割れる感覚が楽しくて、ずっとやっていたい!という子どもたちもいました。

 

こちらは、今井さんの工場へ事前に見学へ行かせてもらった際の様子です。竹を「竹ひご」と呼ばれるきしめんのような平たい薄い状態にするまで、割いて割いて割いて、幅や厚みを揃えていく作業が続きます。

さぁ、お待ちかねの竹を編む作業のスタートです! 骨組みとなる縦の竹ひごに、ジグザグと上下交互に横の竹ひごを入れて編んでいきます。

今回参加者の皆さんに挑戦していただいたのは「角ざる」(平かご)といって、野菜干しなどの天日干しに使える竹枠のついたゴザ編みのざるです。プラスチックに取って代わられるまでは、私たちの暮らしのなかに当たり前にあった竹製品。このプログラムでは、どうしても普段の生活のなかで使ってもらえるものが作りたい!と、今井さんに無理を言って実現することができました。

竹ひごを編む作業は、子どもたちも黙々と作業に没頭してくれました。難所だった竹枠をつける工程は、さすがに子どもたちには難しく、「(角ざるは)平面だから初心者向きかも!」という企画側の思惑はもろくも敗れ、後半は親御さんと今井さんの出番となりました。

 

竹枠をボンドで仮止めしながら、最後は籐で周りを巻いて完成です!予定より少しばかり時間をオーバーしてしまいましたが、参加者全員無事完成させることができました。アンケートには、GIAHSについて「自分が参加して残していけるものは協力したい」という声も。これからの佐渡めぐり塾も、佐渡の豊かな自然や暮らしの知恵を伝えていけたらと思っています。

しなやかな竹と触れ合いたい方、3月もう一度チャンスがあるかもしれませんよ!こうご期待♪